ライオンズ1週間を振り返る#1 【3/25~3/27】
ついにプロ野球が開幕しました。
観客の上限も突破され久しぶりに満員のスタジアムを見れることになった2022年のプロ野球。一体どのようなシーズンになるでしょうか。
さて、我らが埼玉西武ライオンズは昨年42年ぶりの最下位に終わりました。
正に屈辱的なシーズンを送ることとなったわけですが、今季は一転開幕前から有望な新人や外国人の獲得や新戦力の台頭が見られ、楽しみなシーズンですね。
当ブログではそんな2022年シーズンを1週間ごとに振り返っていこう。という企画でございます。
ぜひ気楽にご覧になって頂ければ幸いです。
では早速開幕カード、対オリックス3連戦を振り返っていこうと思います。
- 戦前の展望
オリックスの開幕投手は山本由伸。言わずとしれた日本球界最強投手ですね。
昨年は対西武で5勝を挙げている難敵です。いきなり山本由伸に当たるというのは相当な貧乏くじを引かされたような気持ちになります。
更にそれに加えて2戦目は宮城が登板することとなりました。
こちらは山本以上に昨年は対西武6戦6勝と西武に対しては無類の強さを誇ります。
勝ち星だけではなく、そもそも西武打線は宮城から得点を挙げることすらも苦戦しており、昨年の対宮城最多得点はたったの2点。
開幕から苦しい展開が予想されました。
対する西武の開幕投手は2年連続で髙橋光成。
昨年は2度目の二桁勝利、規定投球回到達とエースとしての立場を確実なものにするシーズンとなりました。
実は昨年の開幕カードもこの2チームの戦いとなりました。先発投手も全くマッチアップとなり、その時はオリックスの守備の乱れもあり、光成が投げ勝ちました。
ただその時よりも山本由伸は洗練されており、オリックスの野手陣も1年前とは見違えるほど強力な布陣となっており、昨年勝ったから今年も...とはいかないはずです。
そして2戦目は4球団競合ドラフト1位の隅田知一郎。
オープン戦では期待通りの投球を見せており、対宮城でも隅田が粘って投手戦に持ち込めれば...といった予想でしょうか。
そして両チーム期待の若手投手が登板する3戦目。西武は昨季4勝を挙げ、オープン戦でも結果を残した渡邊。オリックスは150km/hを超える直球をバンバン投げ込む速球派の山崎投手。
渡邊はオープン戦の防御率は1点台と良かったものの、細かい内容を見ると不安が残るものだったので正直あまり期待していませんでした。
そのため、なんとか山崎投手を打ち崩して乱打戦に持ち込む展開が西武の勝ち筋かなと予想しておりました。
私の勝敗予想では1勝2敗で負け越し。
開幕戦でなんとか一つ拾って残り2戦は2連敗という予想でした。
勝敗予想には根拠はないのですが、強いてでっち上げるのであれば、
西武が開幕戦に相性が良いことでしょうか。
前述の通り昨年も勝っていますが、2015年以降の7年間では6勝と驚異的な勝率を誇っています。
その間オリックスとは3度対戦し3勝とオリックスとの相性の良さもあります(逆にオリックスは開幕戦10年以上白星なしで相性が悪い)。
そのため開幕戦で1勝、残りの2戦は2戦目は宮城を打てず負け、3戦目は渡邊が打ち込まれて負けと予想しました。
では実際はどうなったのでしょうか。
- 両チームの先発
3/25 高橋-山本
3/26 隅田-宮城
3/27 渡邊-山崎颯
- 結果
3/25 西武 0-6 オリックス
3/26 西武 5-0 オリックス
3/27 西武 7-6 オリックス
なんと戦前の予想の全く逆をいく展開となりました(笑)。
振り返りましょう。
西武のスタメンは戦前の予想通りの9名。
1(中)鈴木
2(左)オグレディ
3(三)中村
4(一)山川
5(捕)森
6(二)外崎
7(指)栗山
8(右)愛斗
9(遊)源田
*開幕戦のみ3番森、5番中村。
若林復帰、ジャンセン合流まではこの形が基本となるでしょうか。
蓋を開けてみればオープン戦不調で心配されていた山川の大爆発でカード勝ち越しを決めました。
初戦こそ山本由伸の投球を前に打線が沈黙したものの、2戦目3戦目は息を吹き返し、投手に襲いかかる山賊打線のような雰囲気を感じさせる試合運びとなりました。
打線が沈黙した初戦も良い当たりが尽く正面を突いたことや相手野手のファインプレーもあり、完封負けをしたというような気はしませんでしたね。
点差がついて山本が降板した後に登板した村西選手に対しては捉えた当たり連発でしたね。
これを見て山本以外の投手であれば打てると思ったファンの方も多いのではないでしょうか。
特筆すべきは新加入のオグレディ選手ですね。
2番にどっしりと座り、攻撃の起点となるとともにチャンスで決めきる姿も見られました。
タイプ的にはスパンジーに似てる気がしますね。ただ低めの変化球の見極めはよくできており、変化球が高く浮けば逃さずにしっかりと叩けています。
開幕戦で記録した初ヒットのシーンでは山本由伸相手に追い込まれながらも、決めに来たフォークが浮いたところをしっかりと捉えてライト前に鋭い打球を飛ばしました。
オープン戦を見る限り、課題はインハイの直球に対する対応と見ていましたが、同じく開幕戦の最終回ではインハイ要求が少し真ん中に入ったものの、高めの直球を弾き返してライトフェンス直撃の二塁打など期待が持てる内容です。
更に3戦目のタイムリーのように、引っ張るだけではなく外角の球は素直に逆方向に弾き返します。しかもその打球がかなり伸びていくので相手バッテリーの攻め方は難しくなるでしょう。
開幕3戦打率は驚異の.455と山川と共にチームを引っ張りました。
さあお次はその山川に触れたいと思います。
山川も開幕3戦の打率は.455、本塁打は2本、打点は6と正に大爆発ですね。
開幕戦の対山本由伸では最初の2打席は雰囲気のない凡退だったものの、チャンスで回ってきた3打席目では高い集中力を見せましたね。
結果的には四球だったものの、山川が最も状態の良かった2017年~2018年のような気迫が感じられました。
それが後の2戦の大爆発に繋がりましたね。2戦目は初回から鈴木オグレディの連打でいきなりチャンスを作り、4番の山川が高めの直球を弾き返して先制3ラン。
実はこの直前に3番中村が内野フライで嫌な雰囲気が流れていたんですよね。ただそんな雰囲気を一振りで払拭してくれた山川。お見事だと思います。
更に8回には黒木からタイムリー二塁打とこの日4打点。この二塁打もあわや本塁打という当たりで、好調を伺わせます。
3戦目は6点ビハインドから1点を返し、更にオグレディのタイムリーと中村の内野ゴロで2点を返した直後の1点差に詰め寄る2ラン本塁打。
相手投手は村西でしたが、インコース低めの直球を上手く回転してスタンドまで運びました。
2本の本塁打はどちらも直球を捉えての本塁打でしたね。2019年以降直球を打てていなかった山川ですが、今年は速い球も潰せており、完全復活のシーズンとなるかもしれません。
今週のMVPは文句無しで山川ですね。
他の野手陣も簡単に。
まず6点差をひっくり返す決勝打を放った森。
さすがの勝負強さです。お見事。山川が完全復活したのであれば森を5番に置ける打線が理想です。
勝負強さや度胸、出塁能力これら全てを持っていて決める役割と起点どちらもこなせる森は5番が適正打順だと思います。
山川と並び打線の鍵を握る外崎について。
ここ2年は不調でしたが今年はオープン戦からパンチ力が復活。開幕してからも2019年までの彼の代名詞であった右方向への長打が見られ、こちらも復活と見ていいかもしれません。
オープン戦では2番も試していましたが、個人的には森と栗山に挟まれた中で持ち前のパンチ力を生かして欲しいと思っています。2番は左打者が理想。
骨と牙にもヒットが出ました。
まだまだ本調子ではなさそうです。特に中村はオープン戦で仕上げすぎたのかもしれません。ただ近年特に得点圏でのアプローチが洗練されている中村が3番にハマってくれればチームとしてもこの上ないでしょう。
栗山は中村ほど調子が悪い感じはありません。ぼちぼちでしょうか。
鋭い当たりも出ているので今年も元気にやってくれそうですね。
しかしこの二人は年齢もあるので休み休み使いたいのが本音ですね。そのためにも呉やジャンセンの働きが重要になります。
愛斗は打撃は悪くない印象です。昨年の経験もあり外の変化球を我慢できるようになりました。カーブくらいであれば簡単に拾ってヒットゾーンに飛ばしそうな勢いですね。
開幕戦の対山本由伸ではこの愛斗と源田が一番期待できる内容だったと感じました。
守備も普段ならば問題ないのですが、3戦目にミスを連発してしまいましたね。
引きずらなければ良いのですが...。
源田は相変わらずですね。守備は華麗だし打撃は今年も.270はクリアするでしょう。
9番にこのクラスの打者がいて、なおかつ足もあるのであれば相手チームは相当嫌がるでしょうね。打率は低いものの四球は3つも選んでいて、いやらしい9番打者です。
さて最後に鈴木です。
とりあえずヒットが出たので安心です。ただ若干の不安要素として感じるのが打ち急ぎすぎなことでしょうか。
なんでもかんでも振っているように見えました。勿論初の開幕スタメンで早く結果が欲しいという心理からなのでしょうが、オープン戦の時のアプローチが私の理想ですね。
これからに期待です。
さて次は投手陣を簡単に。
開幕投手の髙橋光成は流石です。相変わらず奪三振は少ないものの、のらりくらりと打ち取る投球で7回2失点HQS。
開幕投手で相手エースとのマッチアップになるので苦しい試合も予想されますが、そんな中でも確実に長いイニングを投げてくれるのはとても助かります。
来週こそは白星を挙げてほしいですね。
そしてルーキーの隅田。
プロ初登板で7回無失点5奪三振、二塁すら踏ませない投球でした。
審判がストライクをボールに判定したことで余計な四球が増え、三振が減ってしまいましたが、それにも屈せず素晴らしい投球でした。
どの球種でもストライクを取れるので森もリードしていて楽しかったのでは。
こちらとしても西武選手では今まで見たことのないようなタイプなので投球に釘付けになってしまいました。
来週も期待です。
3戦目の渡邊は不安が的中してしまいましたね。
愛斗のミスもありましたが、あの球だとエラーがあろうがなかろうが...という印象です。二軍にはエンスが控えていますので簡単にローテの座を譲らないように次はリベンジの投球が見たいですね。
渡邊の課題は直球でカウントを取ることです。
カウントが取れない=コントロールが悪いと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、本質はコントロールだけではなく球威不足だと思います。
渡邊の直球の平均球速は145km/hに満たないことが多く、右投手であの体格であればもう少し球速が欲しいところです。
そんなこともあって直球に球威がないから簡単に弾き返される→コースを狙うor強い球を投げるために余計な力が入る→ストライクが取れない
こんなところでしょうか。一時期の今井と同じですね。今井はウエイトで球速を上げることでこれを克服しました。
渡邊は今井のように球速を上げるか、SB和田のような遅くても空振りが取れる球質を身につけるかですね。
変化球は良いものを持っているので直球の改善に励んでほしいです。
さて投手陣で特筆すべきはリリーフ陣ですね。
この3戦で10イニングを投げて自責点0、13奪三振と以前とは見違えるような成績です。
昨年からの上澄みでいくと、宮川と佐々木ですね。
宮川は昨年絶不調でしたが今年はキャンプから好調でシーズンでも高い奪三振能力を維持したまま制球力を向上させました。
スペックは抑えを担えるモノを持っているはずなので期待しかないです。
そして佐々木は昨年とは別人です。カットボールと落ちる球がとても有効で奪三振能力が非常に高いですね。
公文がいない中で貴重な左腕なので特に頑張ってほしい選手です。
他にもリリーフ本格復帰の平井や増田も順調なので昨年のような大崩壊は今の所見えません。
平良も復帰は近そうなので楽しみですね。
最後に十亀。開幕戦では4失点と試合を壊してしまいましたが投げてる球は良いです。
ロングリリーフが主戦場になると思いますが、今年は昨年以上の成績を残せると思います。頑張って欲しいです。
- 今週のMVP
さて長くなりましたが最後に今週のMVPを勝手に選ばせて頂きたいと思います。
今週は当然この方ですね。
一択でしょう。
素晴らしい。この一言です。
また次のカードからも大暴れして山賊打線復活が見たいですね。
ではまた来週。